ZELDAのよもやま話

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個人的な想い(3)

(続き)


3.感動を供出するために

3D表現もアバドン王あたりまで来ると相当なものに進化している…と私は評価しているのですが、次世代ハードや別メーカーのゲームをプレイされている方々から見れば「いんや、まだまだっしょ?」と思われているかもしれません。先に書いた二項目を踏まえた上でのこの項目な訳ですが…。

初めて真3を見た時には思わず我が目を疑ってしまうぐらい、驚きと共に感動を禁じ得ませんでした。それはやはり「RPGというかメガテンは2Dだろ」という常識をあっさりと覆されたばかりか、悪魔達がちゃんと造形として成り立っていた事に対する驚嘆に他ならなかった訳でして。どうも当時はポリゴン+テクスチャってあんまり造形としては信用していなかったんですよね。

バーチャファイターみたいなアクションゲームだと「本物みたいに動く!凄い!」なんだけれども静止画にするとあんまし鑑賞に堪えないと言いましょうか。ハイエンド化されたものも何か不自然でしっくりこない。ましてやメガテンは悪魔デザイン命な部分がありますから「どうせ3D化してもちゃっちいんだろうな」と決めつけていたのです。期待しつつも。そしてその期待感はEDを見るまで途切れることは無かった、という先ほどの期待感に関する話につながる訳ですハイ。


それでも、ですよ。


FFシリーズにハマっている友人にマニアクスを貸し出した時に「何このちゃっちいポリゴンは」と一笑されたのです。私はゲームの中身と容量の問題をよく理解していましたし、FFシリーズもやったことがあったので敢えて言葉で比較することは避けて「まあ騙されたと思って最後まで遊んでみな」と流したのですが「やっぱりグラフィックがぼやけててつまんないから返す」と一週間もしないうちに返却されてしまいました。

ちょっと悔しい思いもしましたけれど、この出来事のおかげで「感動は相対的なもの」だということを再認識しました。ファミコンで超頑張ったソフトもスーファミに移植できるのは当り前、スーファミで神と崇められたゲームもPSの他のゲームと比較されたら低評価、メガテンシリーズを一切プレイしたことが無い人に「このグラフィックがすごくてさー!」とお勧めしても梨の礫という訳です。要するに認識の相違。

ということを踏まえた上で、かつ先の二項目も踏まえた上で、真シリーズの新作で感動を供出するために必要な事は何なのでしょうか。新ハードへの移行?バーチャルリアリティ?ネットゲーム化?


私は、個人的な想いとしてはまだPS2で勝負して欲しいと思っています。今まで通りスタンドアロンで。既に保有しているハードだから贔屓しているというのもありますけど、PS2のスペックを限界まで引き出しているソフトって世の中にどれぐらいあるんだろうなーとかふと思いまして。

「この先10年経っても業界で語り草になるような限界超えをかましてやろうじゃないか」という気概を持って開発されたソフトって本当にどれだけあるんだろう?少なくともファミコンスーファミ、PCE、SS、ネオジオ世代にはそういう「開発者魂」的なモノが確かにあったのです。

精神論と言えば確かにそれまでですが、私は真4の開発陣にはそれぐらいの気概を求めます。また、それぐらいの気概がなければ「あれも出来る、これも出来る」という新しい環境に飲み込まれてポイントのぼやけたよく解らない作品が生み出されてしまうのではないかという危機感を持っています…が、まあさすがにそれは無いかもしれませんけどねー。老舗ですから新しい開発環境でもちゃんと軟着陸させるでしょう。私の素人考えなんてどこ吹く風で。


でも慣れ親しんだ開発環境でもう一度、限界を見せてほしいなと。

真3マニアクスではPS2の限界まで乗りこなした開発陣の心意気を垣間見た気がしました。真4でもそうなったら言う事無いな、というとりとめもないお話でした。


(了)