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極黒のブリュンヒルデ 第110話「突入」感想

はい、ネタバレしてますよ!



また別枠で感想を書こうと思ってますが、先週は極黒のブリュンヒルデの単行本10巻と岡本先生の短編集「Flip Flap」を購入できたおかげで極黒欠乏症に至らずに済みました。

なんぞそれ?って言われそうですけど、極黒は毎週引きがうまいのと先が気になるのとで、いつも週末ぐらいになると続きが気になって気になって仕方がなくなるんですよ。


いつもならヤンジャンと過去単行本を読み返して間を持たせているところだったのですけど、おかげさまで今週号はあまりガツガツせずに楽しむことができました。一気に読んで何度も読み返してるのはいつもどおりですがw


さて、今回は佳奈姉と仲間(?)の記者の男が協力者である病院の人間と接触しているところから話が始まります。

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右のコマのパスタ喰ってるオッサンがどうやら病院の協力者のようです。


なんていうかこう…病院の先生ということで小五郎や仲間の秋元教授(仮)みたいな神経質そうなキャラを想像していたんですが、ものの見事に予想が外れました。駄目さ加減がとてもいい感じです。


というか岡本先生、親父キャラとか本当に上手くなりましたね!どちらかというと尖ったキャラを得手とされていると思っていたのですが、記者の男といい、今週号の後半で出てくる見張り役のいかつい刑事といい、かなり明確に描き分けを意識されているように感じました。

一方で、ここ最近、カズミと初菜の見分けがつかないとか某所で言われてますけど、あれは個人的にはわざとではないかなあと推測しています。あの二人、姉妹までは言わないまでも実は血のつながりがあるんじゃないかなあとか。アニメ版では設定上、身長が同じぐらいみたいですし。


さて、あまりこれまでの話をなぞると長くなるので、かいつまんで経緯を整理します。


ヴィンガルフで九所長の右腕として暗躍していた黒服(名前未公開)が度重なる失敗で責任を取らされ、研究所を出る車中にて頭を銃で撃たれて死んだと思われてました。

ですが、奇跡と偶然が重なったのか、あるいは第三者の意図的なものか、黒服は奇跡的に一命をとりとめ、とある病院に警察の厳重な監視付きで保護されます。

研究所は秘密漏洩を防ぐために刺客を差し向けます。前回の感想で紹介したポンコツ魔女三人組です。


ほぼ時を同じくして、舞台となる町に起こった壊滅的な災害に対して疑念を抱くものが居ました。佳奈の姉その人です。

彼女は幼くして生き別れた妹の佳奈を探しており、その中で「V機関」というキーワードに行き当たります。(おそらくはヴィンガルフのことでしょう)

彼女には記者仲間の男がいて、多額の情報料と引き換えに「V機関」につながると思われる、あの黒服の存在を知るところとなります。

妹である佳奈に繋がる可能性と、恐らくは彼女の記者としての使命感から、警察を出し抜いて黒服を奪取して更なる情報を引き出すために、まずは病院の情報提供者を抱き込もうと画策するのでした。



で、ようやく今週の話に戻ります。


さっきの写真の駄目そうなオッサンの協力を得て、佳奈姉と記者の男はうまく病院内に潜り込めたのでしょう。白衣がコスプレにしか見えない二人ですが、堂々としているぶん、佳奈姉のほうは美人医師に見えなくもありません。

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うーん、佳奈も成長したらこんな感じの美人さんになるんでしょうか。少なくともハートの強さはさすが姉妹だなあと思えるぐらいよく似ています。とにかく迷いがないのが見ていて気持ちがいいです。


さて、話が前後していますが一方のポンコツ三人組です。

るるみ、美咲、委員会(名前を失念しました…)の三人は、ターゲットである黒服が収容されている病院とおぼしき建物の前で段取りの再確認をしています。人殺しの段取りを淡々と進める中で、るるみが委員会に対して体調不良を訴えます。

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そりゃしょうがないよね。黒服に直接手を下す役目なんて誰だって嫌だろうし。ましてや三人組の中で一番幼いわけだから、自分たちの命が掛かっているとはいえ残酷な話です。


そんな三人組を佳奈はしっかりと尾行していました。やっぱり誰かが死ぬことに対して放っておけない気持ちが強いんだろうな。ほんと行動原理が姉と一緒。

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自分に尾行されてまったく気づいていない三人組のことをバカ呼ばわりしちゃってますが…

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まさかの佳奈も尾行されてて気づかないというオチ。はい、魔法使いはどこか抜けてる子ばっかりです。みんなポンコツかわいい。


場面は転換して黒服の病室前。うまく忍び込むために美咲が魔法を発動させます。

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ちなみにこちらが消える前。

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おい。


おいおい!メガネはどこいった!またシリアスなシーンでこういうシュールなギャグを挟むwww

いや、もしかしたらメガネが本体ってやつか… それならしょうがないね。


しかし相変わらずるるみはとても調子が悪そうです。先週が元気いっぱいだっただけに、読者目線ながら段々心配になってきました。こういう緩急がいまの岡本先生は非常にうまいです。


そして遂に、佳奈姉と三人組が初邂逅を果たすことになります。といっても三人組は物陰に隠れているので佳奈姉は気づいていないですが。

見張り役のいかつい刑事との問答を経て、遂に黒服の病室への侵入を果たした二人ですが、流石に刑事から待ったが掛かります。


これもう黒服拉致するの失敗じゃね?って思ってたら病室の外では衝撃的な展開が起こっていました。

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これより先は残酷すぎるので写真のアップは控えます。ぜひヤンジャン本誌で確かめてください。ある意味、エルフェンリートでのグロよりも救われない展開が待ち受けていました。



るるみのドラシルが孵卵を始めたのです。


るるみは孵卵した怪物に文字どおり頭から齧られて食べられてしまいました。孵卵直後の大ゴマで、るるみの意識がまだ途切れていないように見えたのが非常にいたたまれないです。


おそらくこのどさくさで佳奈姉の黒服拉致は成功するのではないかと思いますが、孵卵を目の当たりにした同じ魔女である委員長、美咲、そして佳奈の胸中を思うと気持ちが引き裂かれそうです。



「孵卵」は、第一部の鎮死剤に次いで魔女が避けて通れない死の影ですから、どこかでその悲壮さが提示されるのは致し方のないことだと覚悟していたのですが。

それでも、日常パートを経てキャラも立ち、愛着が湧いてきた年端もいかない女の子が非業の死を遂げるのを見ると心に衝撃を覚えます。


エルフェンリートのときは紙切れのように簡単に人が死んでいくことに衝撃を覚えたものですが、本作では意図的に直接的な表現を避けておられる印象があったので、ある意味、心の準備が出来ていなかったというか、油断していたのだと思います。



とにかく、るるみに寄生していたドラシルは孵卵を果たし、残されたものたちに死を振り撒く脅威として立ちはだかっています。

果たして委員長と美咲は生き残ることが出来るのでしょうか。佳奈はこの怪物にどのように立ち向かうのでしょうか。佳奈姉とのニアミスはあるのでしょうか。まったく先が読めません。また長い一週間を過ごすことになりそうです。