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一次創作 覚え書き (サブストリームキャラクター)

設定と漠然としたストーリーしかない一次創作に関する覚え書きです。


いつもだいたいそうなのですが、メインストリームのキャラクターよりも、話の核心に近いサブストリームのキャラクターを考えるのが楽しいです。いくらでもアイディアが湧いてきますし、イメージがすぐ固まるのでキャラクターが勝手に動き出してくれます。

メインストリームはこの核心部分の表面的な出来事のところで動かすのがいいです。主役の目的はまったくサブストリームと関係ないところにあるんだけど、コネクションとしてギュンターやエシュテルと接点が出来て、ナハトという気狂いじみた敵や組織がいて。

長いストーリーのなかで助けられたり助けたりを経て、やがてふとしたときにどんなバックボーンがあるのかを気にするようになる。でもやっぱりメインではなりえなくて、というのが話に厚みがでていいかなと思っています。

作中で、メインキャラのあずかり知らぬ処でサブストリームのキャラクター達の因縁と決着をサラッと描くというのが私的嗜好です。勘違いやすれ違いなどといった何気ないところから始まり、長い時間をかけて拗れてしまった関係を修復したり、あるいは壊したりするような情念溢れる話運びが大好きです。あくまでもメインではないところでそれが行われるのがよいのです。


ちなみにこれはフィクションですが、まずは雰囲気を掴むために、歴史上実在の名前が出てきます。また、史実に基づいた構成としています。色々と問題がありそうなので、もし形にする時がきたらすべて違う名前に差し替えると思います。身長や体重の項目については、絵を描いてから追々埋めていこうと思います。



脇役:

名前:ギュンター(駆け降りる者)
性別:男
年齢:70歳
身長:cm
体重:kg
肌の色:
髪の色:金髪(質感は金属のような感じ)
目の色:碧眼
生家の所在地:ダンチヒ
その他:ネクタイにタラークの梵字が入った水晶

概要:
ナチスドイツにおいて、総統ヒトラーの主治医を務めたカール・ブラントの影武者。親衛隊における最終階級はブラントと同じく親衛隊中将及び武装親衛隊中将。

優生学思想に基づき行われた安楽死政策であるT4作戦の責任者であったブラントは、同じくT4作戦の監督を命じられていたナチ党指導者官房長のフィリップ・ボウラーと並んで命を狙われる立場であったため、当時まだ一党員に過ぎなかったギュンターを自らの影武者として抜擢した。

監督官であったボウラーは突撃隊上級大佐ヴェルナー・ブランケンベルクや親衛隊上級大佐ヴィクトール・ブラックに監督官としての実務を公式に任せていったが、ギュンターはブラントの行いを知らされないままT4作戦に巻き込まれる形となり、知らずのうちに多くの罪のない命を摘み取る事となる。

最終的に20万人もの犠牲者を出した元凶と言われるT4作戦に荷担した者として生きる望みを無くしたギュンターは、自らの安楽死を条件に、当時ブラントと対立していたテオドール・モレル医学博士とブラントの失脚を共謀してこれに成功する。

晴れて総統の主治医の座を勝ち取ったテオドールは約束通りギュンターに安楽死の処置を施すが、麻酔が切れたギュンターに待っていたのは安らかな死などではなく、どう足掻いても自ら死ぬことが叶わない運命に加えて、罪の記憶もそのままに緩やかに若返っていくという贖罪の旅路そのものであった。(テオドールに詰め寄るものの、安楽死の瞬間に何が起きたのかは結局判らず仕舞いだった)

それからのギュンターは、目の前に起こる出来事を見届け続ける事こそが、安穏な死を甘受しようとした己に対する神から与えられた罰であると位置付け、自らができる範囲ではあるが、一人でも多くの罪のない命を救おうと抗い続けることとなる。

ナチスによるホロコーストを止めることはできなかったが、かのシンドラーのように、その渦中でユダヤ人をできうる限り救いだすべくギュンターは行動する。

その中でとある母娘を逃がす事に成功するが、当時10歳に満たない娘は神憑りな言葉でギュンターに道を指し示す。数十年の刻を経て再会を果たす事になるこの娘こそが、後にギュンターのパートナーとなるエシュテルである。

ナチスドイツの過ちを繰り返さないことがギュンターの行動理念になっている。そのため、ブラントの処刑(直接は手を下してはいない)やナチス崩壊を経た後も、一方的に弱者が虐げられることのないように、蓄積された様々な経験に基づく先を読む力でマイノリティを救済し続けている。

現在では正体不明の活動家として一部の人間に認知されている。また、過去にナチス党員であった「ナハト」に命を狙われている。詳細はナハトの項を参照。


名前:エシュテル
性別:女
年齢:歳
身長:cm
体重:kg
肌の色:
髪の色:黒髪
目の色:琥珀
生家の所在地:ドレスデン
その他:首飾りにキリークの梵字が入った水晶

概要:
ドイツ生まれのユダヤ人。両親が商売でドレスデンに商会を構えていたが、それ故にナチスに父親を拘束され、現在に至るまで生き別れの状態となっている(生死は不明)。

幼少の頃から頭の中に不思議な声が聞こえることがあり、自分が他人と異なることを自覚していた。ホロコースト絶滅収容所に移送されるところを母親とともにギュンターに救われたが、当時10歳に満たなかったエシュテルはギュンターを一目見るなり彼の事を「駆け降りる者」と呼んだ。

ドイツ脱出後は同族のコネクションを利用して母親と商会を再興し、莫大な財を築き上げることに成功したものの、エシュテル自身は経営の中枢に収まらず、時折訪れる天啓に従って自由気ままに行動する事を選択した。母親もまた、そんな娘の意思を尊重してエシュテルの自由にさせた。

成長後には活動家としてのギュンターに再会し、彼に潤沢な資金を提供するパートナー(パトロン)となる。最後まで男女の仲にはならないが、時折見せる神憑り的な発言はギュンターの往く道を指し示すことが多く、ギュンターもまたそれを拠り所にしている節が見受けられる。奇妙な信頼関係を構築している二人である。

ギュンターと同じく、ナハトに命を狙われている。


名前:ナハト(アーデルベルト)
性別:男
年齢:歳
身長:cm
体重:kg
肌の色:
髪の色:金髪(銀髪に近い)
目の色:碧眼
生家の所在地:キール
その他:全身に大小無数の鉤十字のタトゥ

概要:

ナチスによるホロコーストに関与し、数百万の人々を強制収容所へ移送するにあたって指揮的役割を担ったアドルフ・アイヒマンの腹心であった男。

元々は国を愛するごく普通の青年であったが、ヒトラーの選民的思想に心酔するようになり、金髪碧眼の完全なるアーリア人以外の人種、特にユダヤ人への理由なき憎悪の念を募らせるようになる。

アーデルベルトにはヤスミンという歳が近い想い人がいたが、不幸にも先天的な病により明朗な意志疎通が困難であった。それでも彼は献身的に接し続け、ついには互いに想い想われる仲となり、互いを精神的に支え合う幸せな日々を送っていた。

ところが、アイヒマンマダガスカル計画に関わり始めた頃から運命の歯車が狂いだす。

ヨーロッパのユダヤ人をマダガスカル島へ移送するというこの計画はイギリス軍への敗北とワルシャワ・ゲットー(ユダヤ人の隔離地区)の完成とともに完全に頓挫したが、アイヒマンヒトラーの預かり知らぬところでこの計画を実行に移すべく水面下で準備を進める。

アーデルベルトがアイヒマンから命ぜられたのは、ヨーロッパから遠く離れたマダガスカル島への偵察であった。草案レベルとはいえ、1年に100万人のユダヤ人を再定住させ、それを4年以上続けるという遠大な計画である。心が踊らないはずかない。ヤスミンと離れ離れになるのは心が痛んだが、アーデルベルトはアイヒマンの命令を快く引き受け、一年間という条件でマダガスカルに飛んだ。

時を同じくして、本国ではT4作戦が展開されていた。総統ヒトラーの主治医を務めたカール・ブラントが指揮する、不完全な人間の間引き作戦である。ヤスミンはその病状ゆえに劣性分子と見なされ、最後までアーデルベルトの安否を気遣いながら安楽死という名の静かな殺戮の犠牲者となった。

一年間の任期を終えて本国に舞い戻ったアーデルベルトは最愛の者の死を知り、絶望の淵に立たされた。揺るぎない愛国心を持つ彼にとってナチスの政策は絶対である。だが、ヤスミンを殺したのは紛れもなくそのナチスの政策なのだ。その実行に荷担した者「ギュンター」の名前を調べあげたところで復讐に走ることも出来ない。国の政策に拳を振りかざす背信行為など出来るはずがない。

大いなる自己矛盾に陥った彼は、人体実験に自ら献体して意思持たぬ人間兵器になることをアイヒマンに進言した。哀れに思ったアイヒマンは、かねてより計画していたホロコーストの実行部隊への再配属を条件に、アーデルベルトの望みを叶えることとなる。

かくして、アーデルベルトはコードネーム「ナハト(闇夜)」となり、感情の波を抑制され、老化スピードにブレーキが掛かった「人間ではない何か」に変貌を遂げた。霞が掛かり暗く淀んだ瞳に浮かぶのはギュンターという男とユダヤ人への憎悪の念、そして理由のわからない永遠の喪失感だけである。

ホロコーストでの大量虐殺実行を経てヒトラー政権の崩壊後も彼は生き続け、祖国たるナチスの再興を頑なに信じて、ナハトは今も敵性勢力を葬り続けている。アインザッツグルッペンの生き残りを主体として構成されている秘密組織「ノイ・ナチ(新しいナチス)」の掃除屋であり最高幹部の一人。

アインザッツグルッペンとは、かつてドイツ治安警察と親衛隊保安部の将校の指揮の下、占領下のソ連におけるドイツ戦線の背後で人種的・政治的な敵を葬ってきた移動虐殺部隊のことで、後のホロコーストに於ける絶滅ノウハウの基礎を築いたといわれている。


名前:ヤスミン
性別:女
年齢:歳
身長:cm
体重:kg
肌の色:白
髪の色:金髪
目の色:赤眼
生家の所在地:キール
その他:アルビノ・吃音症

概要:

平凡な家柄に生まれ育った病弱な女性。先天性白皮症(アルビノ)であり、日の光に曝されるだけで皮膚が火傷を起こすほど外界の変化に弱い。またそれだけではなく、後天的なものと思われる重度の吃音症(どもり)を発症しており、他人とのコミュニケーションに支障をきたしている。

この吃音症については、アーデルベルトをはじめとして先天的なものと誤解している人間が多いが、実際には幼少時にその容姿から迫害じみた扱いを受けてきたことに起因する。

決して知恵遅れや脳障害ではなく、むしろ頭の回転は早い方であるが、言葉で伝えるのに難があるため、彼女の事を知らない者からは愚鈍な娘だと見下されることが多い。近隣の人間からは非常に性根の優しい娘として認知され、色眼鏡で見られる事無く可愛がられている。

アーデルベルトとは同郷であり、子供の頃から足繁く通い続けてくる彼には早くから心を開いていたが、ヤスミンは彼の事を恋人ではなく年の近い兄のように思っていた。最終的には根負けする形で交際を了承したものの、相手は国の未来を支える優秀な若者である。アーデルベルトは無償の愛を貫くつもりであったが、それがヤスミンには「憐憫」に見えてしまっていたのである。

そしてなによりも、身体が弱く他人とのコミュニケーションも人並みにできない自分が彼の足手まといになることを恐れていた。それが原因ていつか捨てられるであろうということも。

アーデルベルトからマダガスカル行きになった話を聞いた時、ヤスミンは彼を困らせないために笑顔で送り出した。行かないで欲しい、少しでも早く戻って来て欲しいとは遂に言えなかった。対人関係が極めて少なかったヤスミンには、相手に偽らざる気持ちを伝えることがもっとも大切だという事が分からなかったのである。

T4作戦において劣性分子と見なされたヤスミンはとある施設に連れていかれた。静かに死を覚悟したヤスミンだったが、そこにいたナチスの将校は人払いをするとヤスミンに一つの提案を持ち掛けてきた。本来ならば安楽死=殺処分の対象であるが、その特異な容姿を政治的・宗教的なシンボルとして利用したいとのことだった。

了承すれば両親ともども身の安全が保証されるばかりか、病弱でも安心して生活が出来る環境を提供してもらえるという。但し、表向きは安楽死を実行して戸籍を抹消する必要があるとその将校は言った。

ヤスミンは自らの命にはさほど執着がなかった。苦しくないのならいっそ死んでしまった方が楽になれるかもしれない。自分一人だけのことならばきっと安楽死を受け入れていたであろう。だがどんな形であってもアーデルベルトにもう一度会って、今度こそ自分の偽らざる気持ちを伝えなければならない。彼に何も告げずに勝手に死んではいけない。そう考えたヤスミンは将校の提案を受け入れ、ブランデンブルクのベーリッツ・サナトリウムで別人としての人生を歩み始める事となる。

ベーリッツ・サナトリウムでヤスミンはテオドール・モレル医学博士と出会い、何度か体質改善と延命の術式を施された。その影響かどうかは不明だが、外見年齢がほとんど変化しない特異体質になったといわれている。

1945年、ナチスドイツの敗北後、ソ連軍の侵攻によりドイツは二つに分断され、東ドイツにあったサナトリウムソ連によって支配された。その後の消息は公式記録に残ってはいないが現在も存命である。



とりあえずサブストリームキャラクターはこれぐらいにしておきます。ネタ的にはノイ・ナチの気狂いじみた面子やエシュテルの母親など、まだまだ設定を固めていきたいキャラクターが沢山いるのですがキリがないので。逆にメインキャラクターが全然イメージできてないんですよね。今後はそっちのほうも考えてみたいと思います。