ZELDAのよもやま話

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感想。

遅ればせながらハチワン8巻の感想をつらつらと。

そういえばちょうどマムシ戦最高潮のところからでした。前の日記でちょろっとだけ書いたけどこの辺の展開は本当に早い早い。菅田くんとマムシの行き詰まり感というかジリジリ感はある部分ではfkmt作品を超えてるかも。そしてある瞬間から将棋の鬼と化す菅田くん。あれは彼の本質なんだろうな。人って色々と譲れない何かを持ってると思うけれどハチワンではそんなキャラがほんと多い。そしてその中でも菅田くんの将棋への執着、想いは群を抜いてる。菅田くんだけじゃなくてマムシキリノやすみのさんや勿論受け師さんだって将棋が「譲れない何か」だけど、菅田くんの場合はそれが感情で表に出やすいからそう感じるのかな。

ちなみに二こ神さんは別格。あの方は生き様、背中で語れる稀有な方です。すみのさんも凄いけど、棋力は置いておいて二こ神さんとの決定的な違いはすみのさんは浮世離れしてて二こ神さんは地に足が付いてるのだなあと。すみのさんにとって将棋は「手段」だけど二こ神さんにとっては「全て」なのかなと思いました。そういう意味ではそよちゃんもすみのさんに近いのかもしれない。こういったことからも菅田くんとニこ神さんは波長が近いし、だから師弟として成り立ったんだなあと今にして思う訳です。

しかしそうなると文字山センセはどうなんだろ。上の考え方でいくと漫画も将棋も「全て」になっちゃうのか。非常に贅沢なお人ですがなんとなくセンセなら許せるから不思議。


マムシの「負けました」のシーンはやっぱり印象深い。あれだけ描写をわざと崩しまくった後に端正に描くのは反則です。でもそれがウホッ!ヨクサルテクニックなわけで(? 結構ハチワンではこの手法を使われてますよね。素直に楽しんでおけばいいところなんですがやっぱり上手いなあと感嘆せざるを得ない。というか菅田くんもマムシも描けん。誰かレクチャーしてくれ。

しかしそれだけでは終わらないのがヨクサルクオリティ。マムシの大暴走と向き合う菅田くんはこの後の展開を語る上でも絶対に外せないエピソードだと改めて思いました。週単位で読むと「そんな無茶な!」って菅田くんと同じ想いになりがちでしたが、通して読むと菅田くんの成長する瞬間をたっぷりと尺を取って描かれてるんですよね。

そして直接的な手助けはしないけれど、すみのさんは本当に大事なことをたくさん菅田くんに教えてた。きっついけどいい師匠だと本当に思う。個人的には「ささやかな世界」のくだりも凄く良かったけれど「実力が必要なんだ」のほうにより痺れました。

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長々と書いたけどまだまだ表現し足りないのであとはお絵かきに余った想いを注ぎます。これだけエネルギーをもらうなんて8巻は本当に面白かったんだな。いい買い物しました。